日本の養殖真珠産業

真珠の仕事をするようになってから、人と真珠について話す機会も増えました。

そんな中で、意外にも知られていないのだな、と思ったことが愛媛県が真珠養殖の地であること。

真珠養殖といえば、三重県志摩市、そして御木本さん、という印象が強いようです。

ただ、現在では、養殖真珠の生産量は愛媛県が全国1位。次いで、長崎県、第3位が三重県、となっております。そして、この3県が日本の生産シェア約9割を占めています。

2008年まで、長崎県が都道府県で生産量第1位でしたが、翌年2009年から愛媛県が第1位となり、現在に至ります。

愛媛県における養殖真珠の中心地は、宇和島市です。

宇和島市はここ!(Google マップより)

正確には、宇和島市より北の海岸沿いにも、南の海岸沿いにも養殖業者さんが点在しております。

この海岸沿いはリアス式海岸になっていて、波が強くなく、汚染が少ないので真珠養殖に適した環境となっています。

私は、愛媛まで仕入れに行くのですが、松山からレンタカーを借りて、海岸沿いを走りますが、カーブが多くてなかなか苦労しています…。(ただでさえ東京でも車を運転していないのに…)

ついでにお話しすると、都道府県ごとに得意分野があるようで、愛媛県は大珠(8mm以上)の生産シェア1位、長崎は中珠(6mm〜8mm未満)が生産シェア1位、三重県は小珠(5mm〜6mm未満)・厘珠(5mm以下)が生産シェア1位、となっています。それぞれに競合しないようにすみ分けされてきたのだとか。

さらについでに…グローバルに養殖真珠産業を見てみると、海で養殖される真珠に限定すると、日本が生産量世界1位(約40%)となっています。第2位はタヒチ(約27%)となっており、この2国が生産シェア50%以上を占めています。

ここで淡水真珠も含めた真珠生産量を見てみると、中国が約97%、残り約3%が海産真珠生産量となっており、圧倒的に淡水真珠の生産量が多い事が分かりますね。

ちなみに今回のデータは、経済産業省が委託し、矢野経済研究所が2016年に行った調査報告を基にしています。なので2015年までのデータになります。

この調査の趣旨は、日本の真珠養殖産業を守るための事前調査であり、何も対策がなされなければ、どんどん縮小してしまう。それを防ぐための調査だったのだそうです。

私の個人的なレベルで言えば、故郷の産業が衰退してしまうのは寂しく、産業が衰退していくと、町自体が衰退してしまうと思っています。そうすると、生活しにくくなる人が出てきて住みたいという人も少なくなってしまうだろうな、と想像するのです。

それは困るし寂しい。そういうことも考えて真珠のことを始めました。今はコロナのことで、身動き取りづらい日々が続いていますが、いつか収束するときのために色々と企画して備えておこうと思っています。

それではまた。

参考:平成 28 年度製造基盤技術実態等調査事業 (真珠宝飾品に係る市場動向等に関する調査)調査報告書 平成29年2月 株式会社 矢野経済研究所