“真珠“と聞くと、何色を思い浮かべますでしょうか?
純粋な白色でしょうか?それとも、うすいピンク色でしょうか?
実はよく見ると、同じ種類の真珠でも、
一個体一個体の色合いは、びみょうに異なっています。
真珠の色の正体は、「干渉色」と「実体色」にあります。
が、色の違いは、どうして生まれるのでしょうか?
知ると面白いパールのお話。
今回は真珠の色の正体についてお話ししていきます。
真珠の色の正体
真珠の色は、『実体色』と『干渉色』の二つがミックスして私たちの脳で認識されています。
- 真珠の干渉色とは?
- 真珠の実体色とは?
- 真珠の色の個体差はどうして生まれるか?
1.真珠の干渉色とは?
真珠の表面は真珠層と呼ばれる、何層にもなった炭酸カルシウムの結晶層になっています。
外から光の波長が真珠に届くと、結晶層で光が反射し、
その反射した光の波長が、私たちの目に届いて脳で認識されます。
結晶層はプリズムの効果を生み、
私たちの目にはオーロラのように複雑な色合いとなって光の波長が届きます。
この結晶層は透過性があるため、内側の層まで外からの光が届きます。
そして結晶層の一枚一枚で光の波長が反射します。
その反射した光の波長は干渉し合い、強められたり弱められたりします。
この現象のことを光の干渉といいます。
光の干渉によって発生する色を『干渉色』と呼んでいます。
真珠のオーロラの色合いは、この光の干渉現象に由来するんですね。
2.真珠の実体色とは?
一方の実体色とは、
一枚一枚の結晶層と結晶層の間をつなぐ役割をしている、
タンパク質(コンキオリン)由来しています。
このタンパク質が真珠本体の色をつくっています。
「干渉色」と「実体色」について、ご紹介しました。
この二つが、真珠の色合いをつくり出し、真珠の魅力ともなっているんですね。
3.真珠の色の個体差はどうして生まれるか?
さて、真珠の色の要素がわかりましたね。
真珠、一つ一つを見てみると、
個体差があることがわかります。
この個体差は、先ほどお話した
「干渉色」と「実体色」それぞれに、一個体一個体で差があるからです。
「干渉色」の差が起きる原因は、
結晶層の巻き具合が、一つ一つ異なるからです。
均一に結晶層が重なっていかないと、
干渉色は美しく出ません。
表面に有機物が付くなど、何らかの原因で
凹凸ができてしまう。
そのことによって、干渉の具合が異なり、
色の見た目にも差が生まれてきます。
一方の「実体色」の差はなぜ生まれてくるか?
実体色は、貝の分泌液であるタンパク質(コンキオリン)に由来しています。
人間と同じように、
貝にも個体差があり、その貝がつくるタンパク質にも個体差がある。
よって、実体色にも差が生まれてくるのです。
以上、「真珠の色の正体」のお話しでした。
真珠表面の結晶層のお話しもありましたが、
少し、イメージしにくかったのではないでしょうか?
真珠の構造についてのお話で、図を用いて、紹介しています。
こちらをお読みいただくと、真珠についてより知識を深めていただけると思います。